ウルフドッグはとても大きくオーラがあり目立つ存在です。そのため憧れを持ち飼育したいと思う人は多くいると思います。
とくにブーリのようなワイルド(野良)に近いハイコンテンツは更に野性的で、犬とは違う身なりに魅了される人は多いです。(90%以上あるハイコンテンツは他のコンテンツの個体とは別に考える必要があります)
あなたの理想ではより狼度の高いウルフィーな個体を欲しいと思うかもしれません。
しかし現実ではウルフィーさの高いウルフドッグは、人間の子どものように沢山の時間と注意とケアを必要とします。
ウルフドッグを飼育した事がないと漠然とした想像だけでしか彼らを判断できないと思います。
ウルフドッグに近い例えとして野生に生きている野良猫が近く、猫は鳥などが自分の敷地に居ると容赦なく鳥を排除します。
野良猫が鳥を捕まえたりネズミを捕まえたりするけど、それより10倍以上も大きなウルフドッグは小型犬を簡単に捕まえ殺せます。 時には弱者である子どもや老人でさえも彼らの排除の枠に入ります。(日本でも北海道の遠軽にてウルフドッグに女性が噛み殺される事故が起きています。)
さらに、野生動物全般にも言えますがウルフドッグは人をとても嫌います。ピットブルやシェパードと違って飼い慣らされていない種なため、安易に人が近づく事を苦手とします。
個体によっては飼主にも素っ気ない態度をする事も多く、ワイルド個体のような半野良の彼らが屋外で逃げたら捕まえることは困難です。
そんな人が嫌いなウルフドッグは人がいる場所での散歩を苦手とし、人が見えるとパニックを起こすことが多くあります。
大きな彼らのパニックは想像より制止に力や技術を要し、咄嗟の引きがすごく強く、いきなり100%の力を出して逃げようとする事もあります。
恐怖で失禁脱糞をする事も多いです。道端で大量の便を撒き散らしながらパニックを起こして歩き回られたらとても大変だと実感するはずです。
街中で人とすれ違っただけでパニックを起こし脱糞失禁をしてパニックを起こすことを、毎回散歩でされたらどうしますか?
簡単に言うなら野良猫はどう躾をしたら鳥を捕まえないようにできますか?爪を立てないように出来ますか?子どもや人に対する接し方は?
これらのことをあなたはウルフドッグにどうやって教えていきますか?
飼育の難易度が高いのはこれらの人嫌いの遺伝子や弱者に対する危険性があることだと思います。
飼育は大変と言うよりかはなにかと面倒臭い事が多いです。
人が嫌いで逃げ回る姿や餌の時に必死に唸る姿を見ていると理想と違かったと後悔をして、嫌になり手放す人が多いです。
散歩させるのも面倒臭い彼らに対して時間を思う存分つかえますか?10年以上も共に大変な散歩にいけますか?
長い時間を共に生きる彼らにあなたのフリーな時間を常に使えますか?
ゲームや旅行などの趣味の時間をやめて、これから彼らのために与えられますか?
そんなウルフドッグの飼育は、まるで人間の子どものように常に注意深く見なければいけません。飼主が常に良い方向に誘導しなければいけません。
理想と現実の擦り合わせができずに、自身の理想だけを見てる人は必ずいつか犬を手放す時がきます。
彼らの幸せはあなた次第。飼育するのは訓練士でも誰でもないあなただからこそ、
飼育スキルを常に自己研鑽し、理想のブリーダーを探して共に育てていってください。
そうすれば素晴らしいウルフドッグとの生活が手に入ります。
ちなみに犬寄りの性格の個体は、外に出ることを簡単に行えて、シャイが低いと散歩もそれほど苦ではないのでストレスの受け方が違います。
我が家の個体で言うとユミル、ギン、アウズは知らない人との触れ合いがとても好きです。
ブーリ、ベストラは慣れるまで素っ気ないですが慣れると良い笑顔を見せてくれます。
そしてブーリは、日本に来てから様々なトレーニングを重ねて誰に触られても大丈夫なように変わりました。
彼らのストレス度合い、プレッシャーの度合いが彼らの満足度の指標になります。
笑顔でニコニコ散歩をしているか?周りを警戒してビビリながら散歩をしているのであれば、それは彼らの満足度を下げています。
歩くのを嫌がり外に連れ歩けないなら、動物園の檻の中で一生飼育されるような環境であると考えてください。
それはあなただったら幸せなのでしょうか?狭い環境の中で一生餌だけを食べて生きる環境は幸せですか?
それが例え10坪以上の檻であったとしても、あなたが10坪程度の場所で一生を過ごすことを想像してみてください。
それはとても狭いと思いませんか。彼らを外に連れ出さずに常に檻飼育するならば、全力で走り回れるスペースが必要です。
そして、散歩に連れて行けるようなシャイの度合いが低いことを求めるならば、それは親からの遺伝が強くあります。
シャイ度合いの指標としてもエンバークで測定したコンテンツも重要になってきています。
あなたが散歩に連れ歩けるようなウルフドッグを理想としているならば、コンテンツタイプ、親犬や他の兄妹犬達が散歩に連れ歩けている個体なのかを観察することが重要です。
SNSで同じ親犬から生まれた個体を飼育している人達が、どのように飼育しているかを聞くといいでしょう。
あなたが欲しいウルフドッグはどのような環境で育ち、どのように生きているか?
一言で”ウルフドッグ”だけで見て迎えることを何も知らずに決めるのはとても危険です。
ブリーダーによっても育て方やコンテンツ、同じコンテンツでも個体差が大きく性格はまったく違います。しかし、どの犬舎を理想とするかは飼い主が選べます。
檻で飼育して餌を与えて眺めるだけでいいのか?外に連れ歩いて旅をするような個体が欲しいのか?
どこがあなたの理想なのかはあなたが決めることであり、あなたが求めることができます。
あのウルフドッグみたいに育てたい。あのウルフドッグのようになってほしい。
そう思うならば、必ず同じ血筋の個体を選ぶ必要があります。
ウルフドッグだけで括ると幅広いタイプがあるのに、難儀な理想を並べるのであれば、あなた自身の犬の知識、判断力、アセスメント能力、修正力など、たくさんのスキルが必要となります。
欲しいと思う親犬や親戚犬がどのような個体なのか?今はSNSが主流となりさまざまな写真が見れるようになりましたので簡単に調べられます。
あなたが何を理想とするか、あなたが理想に寄り添って現実でも幸せに飼育できるのかを見極めることが彼らの幸せにつながると思います。
親犬も分からない、血筋もたどれない、そんな個体を求めるようなことは、他の犬種より危険度が高いことを頭の中に入れておくといいと思います。
血統書がないため近親交配をしていても何も分かりません。たとえそれが輸入された個体であっても、なにひとつ血筋をたどれないのであれば近親交配をしている可能性があると思いながら考えるべきです。
雑種であるからこそ、きちんと親犬のタイプ、親戚犬のタイプを把握していくことが大切です。
我が家の子達はウルフドッグですが、ペットタイプで散歩に連れ歩けるタイプを理想として繁殖しています。
ウルフドッグでは括りが非常に曖昧なため、名を”ローズウルフ”として出しています。
インスタグラムでは、たくさんチビローズ達が見れるため検索してみてください。