非常に大切なのは、様々な人に迎えたい犬の疾患確認をする事だと思います。数多くの疾患が確認されていますが隠蔽が多くあります。

これはウルフドッグのみならず全ての犬に関して言えることですが、生き物なので迎えるまでの過程が大切です。

子犬を迎えるのを決めるのはオーナーです。

ブリーダーよりペットショップのがきちんと欠点説明しているところが多いと最近感じます。

ショップだと仕入れの段階で獣医師のチェックをして、欠点の有無で卸値が変わる。ブリーダー直販は提携獣医によっては欠点などのチェックなしの販売が多い。直販の場合では、欠点が出た事や疾患を出した事でマイナス評価も受けるため、隠蔽する事が多いです。調査をしなければ疾患の因果関係が分からないで終わる事なので。過去にどのような疾患があったか?に関しては積極的に答えず終わります。ここはブリーダー直販のデメリットにも繋がります。

ブリーダーから迎えた方が安心。ペットショップは危ない。と発信する人が多いけれど。

自分自身が子犬の健康状態や性格などをトータル判断出来る目を持っているならばどこで迎えても良いのではないかな?と感じています。

迎えるまでに身につけることは自身の観察眼ですね。

ショップは疾患があるブリーダーや、欠点を多く出すブリーダーと取引をしなければ良いだけなので値段の高めな老舗のショップは、綺麗な個体が並んでいることも多くありますし、有名なブリーダーの子犬が並ぶことも多くあります。ブリーダー名を見て驚く時も多々あります。

初心者に対して説明や対面販売を嫌がるブリーダーも多くいるため、ショップに出すブリーダーも増えています。噛み合わせや毛色など欠点がある個体のみをショップに卸すブリーダーもいたり、幅広い戦略がペット業界にはあります。

なのでどこから迎えるのが安全か?よりも迎える側の観察眼。

自分がどこから迎えても素晴らしい子に繋げられる自信を持ってから迎えると、こんなはずじゃなかった、こんな欠点があるとは思わなかった、なんて思いも減る気がします。

人間の子どもの場合は、見えているか、耳は聞こえるか、きちんと歩けているか、異常行動がないか?発語は?など成長の発達段階の観察をしています。犬や猫もこれに関しては似ている事が多いと思います。

パッと見では分からない潜んでいる疾患は見つかりにくいものですが、きちんと見ていれば発覚することも多くあります。

クルクル回っている気がする?モノによくぶつかる気がする?音に対しての反応が弱い?少し歩いただけで息が切れている?歩き方がおかしい?

観察項目はたくさんあります。ペットショップで好きな子がいた時にも冷静にちゃんと観察する事が大切です。迎えたからにはどんな疾患も受け入れる!と思って迎えるのであればどの子でもかまわないです。

ただ、これらの考えは疾患を隠蔽して繁殖しているブリーダーに対しての協力にも通ずる事があります。需要があるから供給がある。度重なる欠点があったとしても需要があるから産ませて供給します。

この考えは犬種特有の遺伝子疾患に繋がったのではないか?とよく言われています。

迎える相手がいるから、いずれ疾患が出る可能性があっても、引き渡した当初には見た目は綺麗でいること、現状では問題ないと販売できる事、を理由にして隠してブリーダーは子犬を出します。

ジャーマンシェパードやコーギーに多いDM(変性性脊髄症)、PRA(進行性網膜萎縮)は成長とともに進行する疾患です。

これらは子犬の頃には分からない事であって、成長したあとに発症していたら分からない。と説明して終わる事柄でした。今でこそ遺伝子検査が流通してきていますが、この遺伝子検査もすべて把握する指標にはなりません。

とくにウルフドッグなどのミックス犬は、その血筋特有の疾患が出てくる時があります。譲渡後は精査をするオーナーの費用の面や、ブリーダー側の隠蔽などもあり細かく調べる人はいないのではないか?と思うくらい少ないです。これは海外でも日本でもある事だと感じます。

知らないふりをすればそのまま子犬は出した時には健康そうに見えて繁殖できてしまいます。これらは一過性かもしれないし因果関係がわからないと言って強気に出る場合もあります。調べなければ因果関係なんて一生わからないですからね。そう言ったもん勝ちです。わからないから遺伝ではない。調べてないから遺伝とは言えない。これが通じてしまう世界です。

ただこんな風に言えることとして、迎えることを決めるのは、ブリーダーでも私でもないあなたです。

良いと思った子を迎える事が先に繋がると思います。

ただ見た目が綺麗なことだけを突き詰めるならば。ブルドッグの鼻の短さの限界や、超大型犬の身体的負担による短命、極小犬の膝関節の弱さは改善しないでも需要があるから長年繁殖されている現状です。

飼い主にも噛むけど野生的でかっこいいからウルフドッグのハイコンテンツ。檻で閉じ込めて飼えば問題ないからとオオカミらしさをひたすら突き詰める繁殖や飼育。

それと同じく、純血は固定化するために長年の努力で作り上げた犬種だと言うブリーダー。その発言は本当に正しいのか?にも通じますよね。極端な鼻の短さを作り上げたことによる気道への負担、身体を大きくしすぎたり、小さくしすぎたりする関節の異常、命の短命化。胴長を固定化することによる腰の負担増。毛のない犬。グレートデンのハルクインを繁殖する際に出てくるホワイト(盲目、難聴のリスクあり)や、ボクサーのホワイト、ダルメシアン。そしてコリー系にも言えるブルーマールの繁殖の難しさ。このように数多くの犬種特有の難しい点があります。FCI公認されている犬達でさえもホワイトが生まれた際には、淘汰することが当たり前にされています。

何をもってそれらを良しとするか。純血が全て素晴らしいことなのか?固定化された血統書付きの犬が全て素晴らしいのか?土着犬らしさを削り、長生きしない犬が良いとされるのか?

我が家の犬達は土着犬らしさを持つ長生きすると言われる種です。しかし中には安易な繁殖だと言われるかもしれません。でもそれはミックスだからダメなのか?純血ではないからダメなのか?公認されていないとダメなのか?とも思います。

何が良いのか悪いのか?もはや分からなくなります。

あなたが迎えようとしている犬の背景にはたくさんの先祖の生き様があります。

動物を飼うことは。彼らの疾患だけではなく、育てられる、見れる目を持つことを必要としています。

保健所から迎えるべき、ペットショップは悪だ、犬を飼うな。何をしても批判はついてきます。ですが犬は他でもあまり例を見ない、人と友好的に暮らすために作られて固定化された珍しい生き物です。

愛玩(コンパニオン)として迎える人もいれば、狩猟として迎える人もいます。彼らをパートナーとして見るのか?ペットと言うのか?擬人化するのか?様々な考え方があるはずです。

どこから迎えたら安心?と聞くことをするより。まずあなたがすることは、犬をどのように飼いたいか?お世話はどうしたらいいか?医療費は?ご飯は?普段の過ごし方は?

自分の理想に合った子を求めること。これが大切だと思います。

一目惚れでも迎えた子犬であっても、自分の理想通りに育てられたならどこから迎えても全然ありだと思います。

ただそれが出来ないのであれば、犬の疾患や、犬の生い立ちも学んで犬をよりよく飼えるスキルを身につけていくことが大切です。

迎えるのはブリーダーでも私でもない。あなたです。

後悔することのないよう素晴らしい犬の生活が送れることを願います。